【シミュレーター付】電動キックボードの維持費は年間いくら?税金・保険のリアルな総額を徹底解剖!

電動キックボード

電動キックボードの購入を考えたとき、「便利そうだし、エコで良さそう!」と感じる一方で、「でも、実際のところ維持費っていくらかかるの?」「よく見る『年間1万円』って本当?」と、具体的なコスト面で足踏みしてしまう方は少なくありません。

たしかに、税金や自賠責保険だけを見れば維持費は安く見えますが、安心して乗り続けるためには、それ以外の費用も考慮する必要があります。この情報を知らないまま購入してしまうと、「思ったよりお金がかかるな…」と後悔につながりかねません。

この記事では、特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)の維持費について、ほかではあまり触れられていない任意保険料やバッテリーなどの消耗品費まで含めた「リアルな総額」を、どこよりも詳しく、そして分かりやすく徹底解剖します。

さらに、あなたの使い方に合わせて年間の電気代を自動で計算できる「電気代シミュレーター」もご用意しました。最後まで読めば、あなたが電動キックボードを購入した場合の具体的な年間維持費が明確になり、自信を持って最適な一台を選べるようになります。

【徹底比較】電動キックボード vs 原付一種 vs 電動アシスト自転車 維持費と特徴の違い

まず、電動キックボードの維持費が他の乗り物と比べてどうなのか、全体像を掴んでみましょう。ここでは、同じく手軽な移動手段である「原付一種(50ccバイク)」と「電動アシスト自転車」と比較してみます。

  • 年間維持費の比較一覧表
  • 結局どれがいい?利用シーン別おすすめ早見表
  • 購入時にかかる初期費用も比較

年間維持費の比較一覧表

それぞれの乗り物にかかる年間の維持費を一覧表にまとめました。まずは、最も一般的な1年契約で比較してみましょう。

項目特定小型原付
(電動キックボード)
原付一種(50cc)電動アシスト自転車
軽自動車税2,000円2,000円0円
自賠責保険6,650円
(12ヶ月契約)
6,910円
(12ヶ月契約)
加入義務なし
任意保険約10,000円~約20,000円~
(等級による)
約4,000円~
(自転車保険)
燃料費/電気代約750円
(年間2,000km走行)
約8,000円
(年間2,000km走行)
約750円
(年間2,000km走行)
メンテナンス費約3,000円~
(タイヤ、ブレーキ等)
約5,000円~
(オイル交換等)
約3,000円~
(タイヤ、ブレーキ等)
年間合計(目安)約22,400円~約41,910円~約7,750円~
※任意保険、メンテナンス費等は利用状況により変動します。※電気代は本記事のシミュレーターを元に算出。原付一種の燃料費は燃費45km/L、ガソリン価格175円/Lを想定しています。

【ポイント】
表の自賠責保険は1年契約の料金ですが、実は長期契約にすることでさらに維持費を下げられます。例えば5年契約にすると、1年あたりの保険料は約2,408円に。これだけで年間4,200円以上も節約可能です。詳しくはこの後の「自賠責保険料」の項目で詳しく解説します。

【補足】メンテナンス費用の根拠は?

「年間2,000kmでそんなに費用がかかるの?」と疑問に思うかもしれません。この金額は、交換部品代を毎年積み立てていくイメージの備えであり、2,000km走るたびに必ず請求されるわけではありません。しかし、電動キックボードの部品は、乗り方や環境によって寿命が大きく変わります。

  • タイヤ (年換算: 2,500円~)
    電動キックボードのタイヤは自転車より直径が小さく、同じ距離でも多く回転するため摩耗が早めです。2,000km~3,000kmが交換を検討し始める現実的な目安。2年に1回(1本5,000円)交換すると想定し、年額で積み立てる考え方です。
  • ブレーキパッド (年換算: 1,000円~)
    アクセルを離した際の「回生ブレーキ」をうまく使えば5,000km以上持つこともありますが、物理ブレーキを多用すると2,000km以下で寿命を迎えることも。こちらも2年に1回(2,000円)の交換を想定しています。
  • 原付一種の場合 (オイル交換: 2,500円~が追加)
    上記に加え、原付バイクは毎年または3,000kmごとのエンジンオイル交換が必須です。この費用が毎年上乗せされるため、メンテナンス費が高くなります。

このように、安全に乗るための費用を計画的に備えておく、という観点からメンテナンス費を設定しています。

結局どれがいい?利用シーン別おすすめ早見表

こんな人におすすめ最適な乗り物理由
免許不要で、手軽さとコストを両立したい特定小型原付16歳以上なら免許不要。法定速度は20km/hだが、税金や保険を含めたトータルコストのバランスが最も良い。
通勤・通学で長距離を走り、スピードを重視したい原付一種法定速度が30km/hで、航続距離も長いため、パワフルな移動が可能。ただし免許が必要で維持費も最も高い。
免許がなく、坂道も楽に移動しつつ健康も意識したい電動アシスト自転車免許不要で維持費も最安。ただし、自力で漕ぐ必要があり、長距離は体力を消耗する。

購入時にかかる初期費用も比較

維持費だけでなく、購入時にかかる「初期費用」も重要です。本体価格に加え、ナンバープレートの取得や自賠責保険への加入が必要になります。

  • 特定小型原付:本体価格(5万円~15万円)+ 自賠責保険料(6,650円~)
  • 原付一種:本体価格(15万円~30万円)+ 自賠責保険料(6,910円~)+ 重量税など
  • 電動アシスト自転車:本体価格(8万円~20万円)

本体価格は電動キックボードが最も安い傾向にあります。初期費用と年間の維持費をトータルで考えると、電動キックボードのコストパフォーマンスの高さが際立ちますね。

電動キックボードのリアルな維持費【5つの内訳を詳細シミュレーション】

ここからは、電動キックボードの維持費の内訳を5つの項目に分けて、さらに詳しく掘り下げていきます。「年間1万円」という情報がいかに限定的か、お分かりいただけるはずです。

  • ① 軽自動車税:年間2,000円
  • ② 自賠責保険料(加入必須):契約期間でこんなに違う!
  • ③ 任意保険料:ファミリーバイク特約は使える?万が一の備え
  • ④ 電気代:あなたの乗り方だといくら?【自動計算シミュレーター】
  • ⑤ メンテナンス・消耗品費:見落とし厳禁な3大費用

① 軽自動車税:年間2,000円

特定小型原動機付自転車は、法律上「原動機付自転車」に分類されるため、軽自動車税の課税対象となります。税額は年間2,000円です。

毎年4月1日時点の所有者に対して、お住まいの市区町村から納税通知書が送られてきますので、コンビニや金融機関などで支払いましょう。これは必ず発生する固定費として覚えておいてください。

参考:総務省 特定小型原動機付自転車について

② 自賠責保険料(加入必須):契約期間でこんなに違う!

自賠責保険は、交通事故の被害者救済を目的とした強制保険です。特定小型原動機付自転車も加入が義務付けられており、未加入で運転すると法律違反(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)となるため、必ず加入しましょう。

保険料は保険会社による違いはなく、契約期間によって金額が決まります。実は、この契約期間の選び方が維持費を抑えるための最初のポイントです。

契約期間保険料1年あたりの保険料
1年(12ヶ月)6,650円6,650円
2年(24ヶ月)8,040円4,020円
3年(36ヶ月)9,400円約3,133円
4年(48ヶ月)10,730円約2,683円
5年(60ヶ月)12,040円約2,408円
※2025年9月時点の沖縄県・離島を除く保険料です。

ご覧の通り、契約期間が長くなるほど1年あたりの保険料は安くなります。5年契約の場合、1年契約を5回繰り返すよりも年間4,200円以上もお得になります。長く乗る予定であれば、迷わず長期契約を選ぶのが賢い選択です。

加入手続きは、コンビニのマルチコピー機や保険代理店のウェブサイト、バイク販売店などで簡単に行えます。ナンバープレート登録時に受け取る「標識交付証明書」が必要になるので、手元に準備しておきましょう。

参考:自賠責保険(共済)の契約(国土交通省)
参考:バイク自賠責保険 | セブン‐イレブンで入る保険(三井住友海上)

③ 任意保険料:ファミリーバイク特約は使える?万が一の備え

最初に確認すべき、最も経済的な備えが「ファミリーバイク特約」です。

まず確認!自動車保険の「ファミリーバイク特約」が使える可能性大!

もしご自身やご家族が自動車保険に加入しているなら、大きなチャンスです。その保険に付帯している「ファミリーバイク特約」が、特定小型原動機付自転車にも適用できる可能性が高いからです。

2023年7月の法改正以降、多くの保険会社が特定小型原動機付自転車を特約の対象に含めるように改定しました。もし適用できれば、既存の保険にわずかな追加料金(あるいは追加料金なし)で、対人・対物賠償に備えることができます。

【重要】ただし、契約内容の確認は”必須”です!
これは非常に重要な点ですが、保険会社や契約時期によっては古い約款が適用されている可能性もゼロではありません。万が一の際に「対象外だった」という事態を避けるためにも、必ずご自身が契約している保険会社の担当者やコールセンターに電話をし、「私の契約で、特定小型原動機付自転車はファミリーバイク特約の対象になりますか?」と確認してください。この一手間が、未来のあなたを救います。

ファミリーバイク特約が使えない場合や、自動車保険に加入していない場合は、電動キックボードに対応した保険や、自転車保険の特約などで備える方法もあります。自分に必要な補償内容を確認し、いくつかの商品を比較検討してみましょう。

④ 電気代:あなたの乗り方だといくら?【自動計算シミュレーター】

電動キックボードの大きな魅力は、ガソリン代がかからないこと。電気代は非常に安く、1回の満充電にかかる費用はわずか10円~20円程度です。

とはいえ、自分の乗り方だと年間にどれくらいかかるのか、気になりますよね。そこで、あなたの利用状況に合わせた電気代をシミュレーションできるツールをご用意しました!スペック表にある「36V 10Ah」のような数値をそのまま入力でき、1回あたりの充電料金もわかります。

年間電気代 自動計算シミュレーター

半角数字で入力してください

V Ah
ここに計算結果が表示されます

公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)が定める電気料金の目安単価は、31円/kWh(税込)です。

⑤ メンテナンス・消耗品費:見落とし厳禁な3大費用

「壊れたら修理に出せばいい」と考えていると、思わぬ出費に驚くことになります。特に以下の3つの消耗品は、安全走行のために定期的なチェックと交換が必須です。

  • タイヤ:最も交換頻度が高い部品です。スリップサインが出たら交換の合図。乗り方にもよりますが、2,000~3,000kmが交換の目安です。
    【費用目安:1本 5,000円~10,000円】
  • ブレーキパッド:安全の要です。ブレーキの効きが悪くなったと感じたらすぐに点検しましょう。
    【費用目安:3,000円~8,000円(工賃込)】
  • バッテリー:電動キックボードの心臓部であり、最も高価な消耗品です。約500回程度の充電で寿命を迎えると言われています。毎日充電する場合、2年弱で交換時期が来る可能性も。この費用を想定しているかどうかで、長期的な維持費の感覚が大きく変わります。
    【費用目安:30,000円~80,000円】

これら消耗品費として、年間で少なくとも5,000円~10,000円程度は積み立てておくと、いざという時に慌てずに済みます。

電動キックボードの維持費に関するよくある質問(Q&A)

  • Q. ナンバープレートの取得に費用はかかりますか?
  • Q. 維持費をできるだけ安く抑える方法はありますか?
  • Q. 盗難が心配です。盗難保険はありますか?

Q. ナンバープレートの取得に費用はかかりますか?

A. いいえ、ナンバープレートの交付自体に手数料はかかりません。無料です。

お住まいの市区町村の役所(税務課など)で手続きができます。手続きに必要なものは以下の通りです。

  • 販売証明書(または譲渡証明書)
  • 車台番号がわかるもの(石ずりや写真)
  • 本人確認書類(免許証など)
  • 印鑑

Q. 維持費をできるだけ安く抑える方法はありますか?

A. 以下の3つのポイントを意識することで、維持費を節約できます。

  • 自賠責保険は長期契約を選ぶ:前述の通り、5年契約にすると年間4,200円以上お得になります。
  • エコな運転を心がける:急発進・急ブレーキを避け、丁寧な運転をすることで、バッテリーやブレーキパッドの消耗を抑え、電気代も節約できます。
  • タイヤの空気圧を適正に保つ:空気圧が低いと走行抵抗が増え、電力消費が多くなります。月に一度はチェックする習慣をつけましょう。

Q. 盗難が心配です。盗難保険はありますか?

A. はい、電動キックボードを対象とした盗難保険があります。

車体が比較的高価なため、盗難のリスクは無視できません。頑丈な鍵で施錠するのはもちろんですが、万が一に備えて保険に加入しておくと安心です。選択肢としては、単体のバイク盗難保険や、ご自身の火災保険に付帯している「家財補償」の特約でカバーできる場合があります。一度、ご加入の保険の契約内容を確認してみることをおすすめします。

参考:バイク盗難保険 | Tokio MarineX少額短期保険株式会社

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まとめ:電動キックボードの年間維持費は2〜4万円が目安!賢い選択を

今回は、電動キックボードのリアルな維持費について徹底的に解説しました。

もう一度、重要なポイントを振り返りましょう。

  1. 必須費用は安い:軽自動車税(2,000円)と自賠責保険(約2,400円~/5年契約の場合)だけで見れば、年間1万円以下に収まる。
  2. リアルな総額は「2~4万円」:しかし、安心して乗るためには任意保険(約1万円~)やメンテナンス・消耗品費(約5,000円~)が別途必要。これらを含めると、年間2万円~4万円程度が現実的な維持費の目安。
  3. それでも原付より圧倒的に経済的:リアルな総額で考えても、原付バイクの年間維持費(約4.6万円~)より大幅に安く、コストパフォーマンスは非常に高い。

電動キックボードの維持費の安さは、間違いなく大きな魅力です。しかし、「年間1万円」という表面的な情報だけでなく、安全のための任意保険や、長く乗り続けるための消耗品費までを正しく理解することが、購入後の満足度を大きく左右します。

この記事でシミュレーションしたリアルなコストを参考に、あなたのライフスタイルに最適な移動手段を選び、快適で経済的な毎日を手に入れてください。

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