
免許不要で手軽な移動手段として注目を集める「特定小型原動機付自転車(特定原付)」。購入を検討する際、「少しでも安く手に入れたい」「補助金は使えるの?」と考えるのは当然のことです。特に、電動バイクや電気自動車には補助金制度があるため、特定原付にも同様の支援があるのではないかと期待しますよね。
しかし、結論からお伝えすると、2025年現在、特定原付「専用」の補助金は国・自治体ともに、ほとんど存在しないのが実情です。ただ、可能性がゼロというわけではありません。
この記事では、特定原付の補助金に関する最新情報を徹底的に調査し、分かりやすく解説します。補助金の現状から、補助金なしでもお得に購入する方法まで、あなたの疑問をすべて解消します。
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目次
この記事の要点まとめ
- 結論:特定原付を対象とした専用の補助金は、国・自治体ともにほぼ存在しない。
- 国のCEV補助金:現状、ほとんどの特定原付は対象外の可能性が高い。
- 自治体の補助金:国のCEV補助金対象外のモデルは、自治体の補助金も対象外となる可能性が極めて高いため、要件確認が必須。
- お得な購入方法:補助金に頼らず、セールの活用やコストパフォーマンスに優れたモデル選びが現実的な選択肢。
【結論】特定原付に補助金はほぼ無いのが現状
なぜ特定原付専用の補助金は少ないのか?
特定原付向けの補助金がほとんどない理由は、主に2つ考えられます。
- 制度が追い付いていない:特定原付は2023年7月の法改正で新設された非常に新しい車両区分です。そのため、国や自治体の補助金制度がまだこの新しいカテゴリーに対応しきれていないのが現状です。
- 補助金の目的とのズレ:そもそも、電動バイクや電気自動車への補助金は、環境負荷の大きいガソリン車からの買い替えを促進する目的が大きいです。特定原付は、主に自転車や徒歩といった移動手段の代替と見なされており、ガソリン車からの転換という補助金の主旨とは少し異なるため、優先順位が低いと考えられます。
国の「CEV補助金」は対象になる?
電気自動車や電動バイクの補助金として最も有名なのが、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」です。 しかし、ほとんどの特定原付モデルは、このCEV補助金の対象外となる可能性が高いです。
CEV補助金の対象となる電動バイクは、「原付一種(定格出力0.6kW以下)」や「原付二種(定格出力0.6kW超〜1.0kW以下)」などに分類され、次世代自動車振興センターのウェブサイトに対象車両として登録されている必要があります。 特定原付の定格出力は0.6kW以下なので分類上は原付一種に収まりますが、そもそも対象リストに掲載されているモデルがヤマハの「E-Vino」やホンダの「EM1 e:」といった、より高出力で価格帯も上の電動スクーターが中心です。
現時点(2025年10月)で、いわゆる電動キックボード形状の特定原付でCEV補助金の対象リストに掲載されているモデルは確認できません。購入したいモデルが補助金対象かどうかを正確に知るには、一般社団法人次世代自動車振興センターの公式サイトで確認するのが最も確実です。
自治体の電動バイク補助金が使える可能性を探る
国の補助金が難しいとなると、次に期待したいのが市区町村などの自治体が独自に行っている補助金制度です。こちらも「特定原付」を名指しした補助金は稀ですが、「電動バイク」という広い括りで対象になる可能性が残されています。
東京都の例:「電動バイクの普及促進事業」
例えば、東京都では「電動バイクの普及促進事業」という補助金制度があります。 これは、都内で電動バイクを購入した個人や事業者に対して費用の一部を助成するものです。
ただし、東京都の制度は、国のCEV補助金交付対象となっている車両を要件としています。現状、電動キックボード形状の特定原付はCEV補助金の対象リストに確認できないため、ほとんどの特定原付モデルは対象外となる可能性が極めて高いです。単に「電動バイク」という名称だけで判断せず、購入前に必ずクール・ネット東京や販売店に直接問い合わせて確認する必要があります。
その他の自治体の動向(大阪・神奈川・埼玉など)
東京都以外の自治体でも、同様の電動バイク購入補助制度を実施している場合があります。しかし、その内容は自治体によって大きく異なり、また年度ごとに予算や制度内容も変わるため、一概に「この地域なら補助金がもらえる」とは言えません。
ご自身がお住まいの自治体で補助金制度があるかを確認するには、以下のキーワードで検索するのが最も効率的です。
- 「〇〇市(区町村名) 電動バイク 補助金」
- 「〇〇県 電動バイク 補助金」
補助金情報を確認する際の重要チェックポイント
もしお住まいの地域で関連しそうな補助金を見つけた場合、必ず以下の4つのポイントを確認してください。
- 対象車両の定義:補助金の対象となる「電動バイク」の定義に、購入予定の特定原付が含まれるか。定格出力(例:0.6kW以下など)や車両区分に関する記載を必ず確認しましょう。
- 申請期間:補助金の申請受付期間は限られています。特に年度の後半になると、予算上限に達して早期に受付を終了することがよくあります。
- 申請のタイミング:多くの補助金は「車両の購入・登録後」に申請します。購入前に申請が必要なケースは少ないですが、手順を間違えると補助金が受けられなくなるため、必ず事前にフローを確認しましょう。
- 必要書類:申請には、購入証明書(領収書)、ナンバープレートが交付されたことを証明する書類(標識交付証明書)、住民票などが必要です。事前にリストアップし、漏れなく準備しましょう。
補助金がなくても特定原付をお得に購入する方法
ここまで見てきたように、特定原付の購入で補助金を受け取るのは、残念ながらハードルが高いのが現実です。しかし、がっかりする必要はありません。補助金以外にも、お得に特定原付を手に入れる方法はあります。
セールやキャンペーンを狙う
メーカー公式サイトや大手ECサイト(楽天、Amazonなど)では、定期的にセールや割引キャンペーンが実施されます。特に、季節の変わり目や、ブラックフライデー、サイバーマンデーといった大型セールの時期は大きな割引が期待できるため、狙い目です。日頃から購入を検討しているモデルの価格をチェックしておくと良いでしょう。
コストパフォーマンスに優れたモデルを選ぶ
補助金に頼らずとも、元々の価格が手頃で性能も十分な「コストパフォーマンス(コスパ)」の高いモデルを選ぶのが最も賢い選択です。ここでは、日常使いには十分な性能を持つおすすめの3モデルをご紹介します。
MOBAYELL X8|多機能でコスパ最強クラス
MOBAYELL X8は、64,800円(税込)という手頃な価格ながら、航続距離40km、着脱式バッテリー、10インチのエアタイヤ、さらには電子キーや振動センサーアラームといった3重の盗難防止機能まで備えた、まさに「コスパ最強」クラスの特定原付です。日常の足としてはもちろん、充実した機能で安心感も欲しいという欲張りな方にぴったりの一台です。
- こんな人におすすめ
- 価格を抑えつつ、機能や航続距離に妥協したくない方
- 盗難対策を重視したい方
- 乗り心地の良いエアタイヤを求めている方
プラタ EVバイク PEV01|安定感抜群の自転車タイプ
プラタ EVバイク PEV01は、99,000円(税込)で手に入る自転車タイプの特定原付です。キックボードタイプに比べて安定性が高く、自転車に乗り慣れた方ならすぐに乗りこなせます。航続距離は30km、着脱式バッテリーやカゴも標準装備しており、日々の買い物や通勤に最適です。なにより、座って運転できる快適さは大きな魅力と言えるでしょう。
- こんな人におすすめ
- 立ち乗りよりも座って安定した走行をしたい方
- 日々の買い物などで荷物を積む機会が多い方
- 自転車に近い感覚で手軽に乗りたい方
Sun Emperor SE-Easy|長距離も安心のパワフルモデル
Sun Emperor SE-Easyは、165,000円(税込)と価格は少し上がりますが、その分スペックが非常に高いモデルです。特筆すべきは最大80kmという圧倒的な航続距離。片道10km以上の通勤や、週末のちょっとした遠出にも余裕で対応できます。500Wのパワフルなモーターと前後サスペンションを備え、坂道や長距離の走行も快適です。折りたたみも可能で、保管や車への積載も考慮されています。
- こんな人におすすめ
- 通勤や通学で毎日長い距離を走る方
- 坂道の多い地域に住んでいる方
- 走行性能と快適性を重視する方
| MOBAYELL X8 | プラタ EVバイク PEV01 | Sun Emperor SE-Easy | |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 価格 | 149,800円 | 148,000円 | 165,000円 |
| 実売価格 | 79,800円 | 99,000円 | 165,000円 |
| 歩道モード | あり | あり | あり |
| 平均航続距離(km) | 40 | 30 | 80 |
| 重量(kg) | 17 | 20 | 25.7 |
| 定格出力(W) | 400 | 500 | |
| 最大出力(W) | 400 | ||
| タイプ | キックボード | 自転車 | 自転車 |
| 全長(mm) | 1118 | 1255 | 1310 |
| 全幅(mm) | 531 | 580 | 590 |
| 全高(mm) | 1169 | 1015 | 1080 |
| 3辺合計(mm) | 2818 | 2850 | 2980 |
| 折りたたみ全長(mm) | 1118 | 1255 | 730 |
| 折りたたみ全幅(mm) | 531 | 300 | 560 |
| 折りたたみ全高(mm) | 468 | 675 | 600 |
| 折りたたみ3辺合計(mm) | 2117 | 2230 | 1890 |
| 最大積載重量(kg) | 100 | 120 | |
| 駆動方式 | ブラシレスDCモーター | ||
| バッテリー電圧(V) | 42 | 36 | 48 |
| バッテリー容量(Ah) | 10 | 9.6 | 13 |
| バッテリー着脱 | 可能 | 可能 | 可能 |
| バッテリー平均充電時間(h) | 4.5 | 7.5 | |
| 最高速度車道(km/h) | 20 | 20 | 20 |
| 最高速度歩道(km/h) | 6 | 6 | 6 |
| 登坂角度(度) | 11.3 | ||
| 走行モード | 歩道モード(6km/h)、車道モード(20km/h) | 6km/h, 15km/h, 20km/h | 歩道モード(6km/h)、公道モード(20km/h) |
| フレーム素材 | A6061アルミ合金 | ||
| カラー | Black, White | ||
| タイヤサイズ(inch) | 10 | 14 | 14 |
| タイヤ種類 | チューブエア式ベイバブル方式 | ||
| ブレーキ前輪 | ドラム | ディスクブレーキ | ディスクブレーキ |
| ブレーキ後輪 | ディスク | ディスクブレーキ | ディスクブレーキ |
| サスペンション前輪 | あり | ||
| サスペンション後輪 | あり | ||
| 防水防塵等級 | |||
| 折りたたみ機構 | あり | あり | あり |
| サドル(椅子) | オプション | あり | あり |
| カゴ | オプション | オプション | |
| バックミラー | あり | なし | あり |
| 防犯装備 | 3重の盗難防止機能(電子キー、振動センサーアラーム、MAMORIO紛失防止機能) | 車両本体に警報装置搭載 スマートキー | |
| アプリ連携 | |||
| 保証期間 | 1年 | 1年 | 1年保証(または3000km) |
| 付属品 | 充電器、整備用工具 | ACアダプター、説明書 | |
| 確認番号 | 0053 | 0044 | 0107 |
| メーカー | MOBAYELL | hurata | 有限会社龍昇 |
| 型式 | X8 | PEV01 | SE-Easy |
| 公式サイトなど | https://item.rakuten.co.jp/arudake/mzk118/ | https://item.rakuten.co.jp/plata/evbike/ | https://sun-emperor.jp/easy-news/ |
| 購入先 | 楽天市場で見るYahoo!ショッピングで見るメルカリで見る | 楽天市場で見るメルカリで見る | 楽天市場で見るメルカリで見る |
特定原付に関するよくある質問(FAQ)
Q. 電動アシスト自転車の補助金は使えますか?
A. いいえ、使えません。電動アシスト自転車の補助金は、あくまで「自転車」を対象としたものです。特定原付は、道路交通法上「自動車」の一種(原動機付自転車)に分類されるため、全く別の乗り物です。自治体の補助金情報を調べる際は、この違いに注意してください。
Q. 補助金の申請は難しいですか?
A. はい、ある程度の知識と手間が必要です。申請には、定められた様式の申請書や複数の添付書類を、期限内に不備なく提出する必要があります。もし、ご自身の購入したいモデルが補助金の対象になることが確認できた場合は、販売店の担当者に相談したり、自治体の窓口に問い合わせたりしながら、慎重に手続きを進めることをお勧めします。
Q. そもそも特定原付とは何ですか?
A. 特定原付(特定小型原動機付自転車)とは、電動キックボードなどの新しいモビリティに対応するために設けられた車両区分です。主な特徴は以下の通りです。
- 16歳以上であれば運転免許不要で運転できる
- 最高速度が時速20kmに制限されている(特定小型原動機付自転車)
- 最高速度表示灯を点滅させ、時速6km以下で走行すれば、例外的に歩道通行が可能(特例特定小型原動機付自転車)[cite: 警視庁 交通ルール]
- ヘルメットの着用は努力義務(安全のため着用を強く推奨)
- ナンバープレートの取得と自賠責保険への加入が必須
より詳しいルールや定義については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回は、特定小型原動機付自転車(特定原付)の補助金について解説しました。
残念ながら、2025年現在、特定原付を専門に対象とする補助金制度はほとんどなく、国のCEV補助金も対象外の可能性が高いのが現状です。一部の自治体では「電動バイク」として補助の対象となる可能性も残されていますが、そのためには厳格な要件(国のCEV補助金対象であることなど)をクリアする必要があり、購入前の入念な確認が不可欠です。
したがって、現時点では補助金を当てにするよりも、メーカーや販売店のセールを狙ったり、手頃で性能の良い高コスパモデルを選んだりする方が、賢くお得に特定原付を手に入れる現実的な方法と言えます。
補助金の有無にかかわらず、特定原付はあなたの日常の移動をより自由で快適なものにしてくれる素晴らしい乗り物です。この記事の情報を参考に、ぜひあなたのライフスタイルに最適な一台を見つけてください。
特定小型原動機付自転車についての外部リンク
特定小型原動機付自転車について
- 特定小型原動機付自転車について(国土交通省)
- 特定小型原動機付自転車について(経済産業省)
- 保安基準に適合した電動キックボード等を購入・使用しましょう(国土交通省)
- 特定小型原動機付自転車ってなに?(PDF)(国土交通省)
- ルールを守って電動キックボードに乗ろう(PDF)(国土交通省)
- 電動キックボード等の概要説明リーフレット(PDF)(警視庁)
特定小型原動機付自転車の交通ルールについて
- 電動キックボードに関する交通ルールを確認しましょう!(政府広報オンライン)
- 電動キックボード等に法改正 乗るならルールを知ってから!(政府広報オンライン)
- 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について(警視庁)
- 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について(警察庁)




