パーソナルモビリティとマイクロモビリティの違いは?電動モビリティとの関係を徹底解説

「パーソナルモビリティ」や「マイクロモビリティ」といった言葉を耳にする機会が増えましたが、それぞれの違いを正確に説明できる方は少ないかもしれません。特に電動キックボードの普及により、これらの新しい乗り物への関心は高まる一方です。

この記事では、そうした「今さら聞けない」疑問を解消するため、パーソナルモビリティ、電動モビリティ、マイクロモビリティの関係性を図解で分かりやすく解説します。さらに、公道を走行するためのルールや免許の要否といった、誰もが気になる法律面についても掘り下げていきます。この記事を読めば、新しいモビリティの全体像が明確になり、自分に合った移動手段を見つける第一歩となるでしょう。

この記事の要点まとめ

  • パーソナルモビリティは個人用の小規模な移動手段全般を指す最も広い概念。
  • 電動モビリティは、パーソナルモビリティの中で「電力」を動力源とするものの総称。
  • マイクロモビリティは、特に小型・軽量な電動モビリティで、電動キックボードなどが含まれる。
  • 乗る種類によって免許の要否や交通ルールが大きく異なるため、事前の確認が不可欠。

パーソナルモビリティ・電動モビリティ・マイクロモビリティの関係性

  1. パーソナルモビリティ (Personal Mobility)
    最も大きな枠組みです。「個人(Personal)」の「移動手段(Mobility)」全般を指す言葉で、動力源が電気かどうかにかかわらず、1~2人程度の近距離移動に使われる乗り物が含まれます。
  2. 電動モビリティ (Electric Mobility)
    パーソナルモビリティという大きな枠の中に含まれるカテゴリです。その名の通り、電気を動力源とする乗り物全般を指します。 電気自動車(EV)のような大きなものから、電動キックボードまで幅広く含みますが、文脈によってはパーソナルなサイズのものを指すことが多いです。
  3. マイクロモビリティ (Micro Mobility)
    電動モビリティの中に含まれる、より小さなカテゴリです。「極めて小さい(Micro)」という名の通り、特に小型で軽量な乗り物を指します。 電動キックボードや電動アシスト自転車などが代表例で、「ラストワンマイル(最寄り駅から目的地までなど、最後の短い距離)」の移動を解決する手段として注目されています。

つまり、「電動キックボード」は、「マイクロモビリティ」であり、「電動モビリティ」であり、最も広い意味では「パーソナルモビリティ」の一種ということになります。

それぞれの用語と乗り物の具体例

1. パーソナルモビリティとは?

パーソナルモビリティは、個人が利用する比較的小型の移動手段を指す包括的な概念です。 明確な法的定義はありませんが、一般的に近距離移動をサポートする1~2人乗りの乗り物を指します。 高齢化社会における移動手段の確保や、環境負荷の低減といった観点から、その重要性が増しています。

  • 主な種類:
    • 電動アシスト自転車
    • 電動キックボード
    • 電動車椅子・シニアカー
    • セグウェイなどの立ち乗り型モビリティ
    • 超小型モビリティ(1~2人乗りの小型EV)

2. 電動モビリティとは?

電動モビリティは、その名の通り電力を動力源とする乗り物全般を指します。 パーソナルモビリティの多くは電動であるため、このカテゴリに含まれます。ガソリン車と比べて走行音が静かで、排気ガスを出さないため環境に優しいのが大きな特徴です。 近年のバッテリー技術の進化により、多様化・高性能化が進んでいます。

  • 主な種類:
    • 上記パーソナルモビリティのうち、電動のもの全て
    • 電気自動車(EV)
    • 電動バイク

3. マイクロモビリティとは?

マイクロモビリティは、パーソナルモビリティとほぼ同義で使われることもありますが、より小型で手軽な乗り物を指すニュアンスが強い言葉です。 特に、シェアリングサービスで利用される電動キックボードや電動アシスト自転車などがこのカテゴリの代表格です。都市部の交通渋滞緩和や、公共交通を補完する役割が期待されています。

  • 主な種類:
    • 電動キックボード
    • 電動アシスト自転車
    • 電動スケートボード

【最重要】種類によって全く違う!公道走行ルールと免許の要否

これらのモビリティを利用する上で最も重要なのが、法律上の扱いです。見た目が似ていても、どの車両区分に該当するかで、必要な免許、ヘルメット着用の義務、走行できる場所などが全く異なります。

特定小型原動機付自転車(電動キックボードなど)

2023年7月1日の改正道路交通法施行により新設された車両区分です。 主に電動キックボードなどが該当します。

  • 免許: 16歳以上であれば不要
  • ヘルメット: 努力義務
  • 走行場所: 原則として車道の左側端を通行し、自転車道を通行することができます。特例特定小型原付の基準を満たすものは、最高速度6km/hで歩道も走行可能。(※自転車通行帯は通行義務がありません。)
    出典:警察庁 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール
  • その他: ナンバープレートの装着と自賠責保険への加入が必須。

一般原動機付自転車(電動バイクなど)

特定小型原付の基準を満たさない電動キックボードや、多くの電動バイクがこちらに分類されます。

  • 免許: 原付免許以上が必須
  • ヘルメット: 着用義務あり
  • 走行場所: 車道のみ
  • その他: ナンバープレート、自賠責保険必須。定格出力によって原付一種と二種に分かれます。

自転車(電動アシスト自転車)

人の力を補助するアシスト機能を持つ自転車です。ペダルを漕がずに進む「フル電動自転車」は、多くの場合、原付扱いとなるため注意が必要です。

歩行者扱い(シニアカー・電動車椅子)

シニアカー(ハンドル形電動車いす)や電動車椅子は、道路交通法上「歩行者」として扱われます。

  • 免許: 不要
  • ヘルメット: 不要
  • 走行場所: 歩道
  • 注意点: 最高速度は時速6km以下と定められています。

パーソナルモビリティに関するよくある質問(FAQ)

Q. 大阪・関西万博ではどのようなパーソナルモビリティの取り組みがありましたか?

A. 2025年4月13日から10月13日に開催された大阪・関西万博では、未来の移動手段として様々なパーソナルモビリティの導入が計画・実施されました。当初は来場者向けの貸出サービスが行われていましたが、会期中の安全上の理由などからサービス内容が変更され、最終的には会期終了(2025年10月13日)に伴い、会場内での試乗会や貸出サービスは全て終了しています。

Q. 電動モビリティの値段はどれくらいですか?

A. 種類によって大きく異なります。特定小型原付に該当する電動キックボードは、安いモデルであれば5万円台から、高性能なモデルでは20万円を超えるものもあります。電動アシスト自転車も同様に幅広い価格帯で販売されています。購入の際は、本体価格だけでなく、自賠責保険料やヘルメットなどの備品代も考慮する必要があります。

Q. なぜ、これからのモビリティが注目されているのですか?

A. 理由は複数あります。まず、環境意識の高まりから、排気ガスを出さない電動モビリティがエコな移動手段として評価されています。 また、都市部では交通渋滞や駐車スペースの問題を緩和する手段として、高齢化が進む地域では、免許を返納した後の「移動の足」を確保する手段として期待されています。 このように、多様な社会課題を解決するポテンシャルを秘めているため、大きな注目を集めています。

まとめ:用語を理解し、ルールを守って安全なモビリティライフを

この記事では、「パーソナルモビリティ」「電動モビリティ」「マイクロモビリティ」の関係性について、図を交えながら解説しました。

  • パーソナルモビリティ: 個人用の移動手段という最も広い概念。
  • 電動モビリティ: その中で電力を動力とするもの。
  • マイクロモビリティ: さらにその中で特に小型・軽量なもの。

これらの新しいモビリティは、私たちの移動をより便利で自由にしてくれる大きな可能性を秘めています。しかし、その利便性の裏側には、守るべき法律やルールが存在します。特に電動キックボードなどは、2023年7月の法改正でルールが大きく変わりました。 自分が乗ろうとしている乗り物がどの区分に該当し、どのようなルールが適用されるのかを正しく理解することが、安全で楽しいモビリティライフを送るための第一歩です。

まずは、どのような種類の特定原付があるのか、以下の比較ツールで確認してみることをお勧めします。

特定小型原動機付自転車についての外部リンク

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