
特定小型原付で公道を走るなら、自賠責保険への加入が必要です。免許がいらない車両でも、保険まで不要になるわけではありません。加入後は保険標章(ステッカー)をナンバープレートに貼り、自賠責保険証明書を車両に備え付けます。
結論を先に整理します。
- 特定原付の自賠責保険料は、本土用なら1年6,650円、5年12,040円
- 加入場所は販売店、保険代理店、保険会社、郵便局、コンビニ、対応する公式サイト
- 未加入・期限切れで運行すると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象
- 自賠責は相手の人身損害だけが対象で、対物事故や自分のケガは補償されない
※保険料・制度は2026年9月に確認しています。契約前は国土交通省や加入先の最新案内も確認してください。
特定小型原付の自賠責保険加入は必須
特定小型原動機付自転車は、道路交通法上の基準を満たす原動機付自転車の区分です。電動キックボード、電動スクーター型、電動三輪車型などが該当します。特定原付として走行するには、保安基準への適合、ナンバープレートの取り付け、自賠責保険への加入が必要です。
特定原付の基準を満たさない車両は、一般原動機付自転車として扱われます。その場合は運転免許が必要になるなど、ルールが変わります。車両の区分が分からないまま加入手続きを進めず、販売証明書や標識交付証明書で確認してください。
制度の全体像や免許の条件は、電動キックボードの公道条件と罰則でも確認できます。根拠は、日本損害保険協会の特定小型原動機付自転車の案内にまとめられています。
小型バイクという呼び方に注意
「小型バイク」は日常的な呼び方で、自賠責保険の正式な料率区分ではありません。排気量のあるバイクと、排気量では区分しない特定原付を同じ扱いにしないことが大切です。
たとえば、125cc以下の原付と特定原付は別の保険料区分です。125ccを超えて250cc以下なら、さらに軽二輪の料率になります。
未加入と証明書不備の罰則
自賠責保険に加入していても、必要な表示や証明書の備え付けを怠ると別の違反になります。乗り始める前に、契約の有効期間、証明書、ステッカーをまとめて確認してください。
| 行為 | 罰則・扱い |
|---|---|
| 自賠責保険に未加入、または期限切れのまま運行 | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。運転免許を取得している人には違反点数6点が付され、免許停止処分の対象になることがあります。 |
| 自賠責保険証明書を車両に備え付けず運行 | 30万円以下の罰金 |
| 保険標章(ステッカー)をナンバープレートに表示せず運行 | 30万円以下の罰金 |
特定原付は免許不要で運転できるため、免許を持たない人に免許停止処分はありません。ただし、未加入で走行する行為そのものが適法になるわけではありません。免許を持つ人が運転した場合は、違反点数の対象になり得ます。
事故が起きた場合、無保険車による被害者を救済する政府保障事業が使われる場合があります。しかし、加害者の賠償負担まで消える制度ではありません。加入を後回しにして公道を走らないでください。
罰則の根拠や自賠責証明書の備え付け義務は、国土交通省の自賠責保険に関するFAQで確認できます。
特定原付と小型バイクの自賠責保険料
国土交通省が掲載している、離島以外の地域かつ沖縄県を除く本土用の保険料です。保険始期が2024年4月1日以降の契約に適用されます。
| 車種区分 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 特定小型原動機付自転車 | 6,650円 | 8,040円 | 9,400円 | 10,730円 | 12,040円 |
| 原動機付自転車(125cc以下) | 6,910円 | 8,560円 | 10,170円 | 11,760円 | 13,310円 |
| 軽二輪(125cc超〜250cc以下) | 7,100円 | 8,920円 | 10,710円 | 12,470円 | 14,200円 |
特定原付の1年契約は月あたり約554円です。契約期間が長いほど1年あたりの負担を抑えられますが、車両を手放す予定がある場合は名義変更や解約手続きも考えて期間を選びます。
自賠責保険料は車種区分、地域、契約期間で決まる基準料率です。同じ条件なら、保険会社を変えても保険料だけで大きな差は出ません。沖縄県や離島は別の料率になるため、国土交通省の保険料一覧で確認してください。
2024年3月以前の契約は返金対象になる場合
2024年4月から特定小型原動機付自転車の保険料区分が新設されました。2024年3月以前に一般の原動機付自転車として契約し、次の条件をすべて満たす場合は、保険料の一部が返還される可能性があります。
- 保険始期が2024年3月以前で、保険終期が2024年4月以降
- 車種区分が原動機付自転車
- 標識交付証明書、型式認定番号標、性能等確認済シールなどで特定原付と確認できる
返還の有無や必要書類は契約先によって異なります。対象になりそうな場合は、日本損害保険協会の特定原付保険料返還案内から契約先の手続きを確認してください。
自賠責保険の補償範囲
自賠責保険は、交通事故の被害者を救済するための強制保険です。補償の中心は、事故の相手に生じた人身損害であり、被害者1人ごとに支払限度額があります。
| 補償対象 | 支払限度額 |
|---|---|
| 相手の傷害 | 120万円まで |
| 相手の死亡 | 3,000万円まで |
| 相手の後遺障害 | 75万円〜4,000万円(等級・介護の有無による) |
後遺障害の補償には、逸失利益や慰謝料などが含まれます。反対に、次の損害は自賠責保険の対象外です。
- 相手の車、ガードレール、建物などの対物損害
- 運転者自身のケガや死亡
- 自分の特定原付の修理費や盗難
自賠責保険の補償上限と対象外の範囲は、国土交通省の補償内容の説明にも掲載されています。

自賠責保険に加入できる場所
特定原付の自賠責保険は、次の場所で手続きできます。ただし、すべての店舗や保険会社がすべての方法に対応しているわけではありません。
- 特定原付の販売店、整備工場
- 保険会社や共済組合の窓口、保険代理店
- 郵便局
- 対応している損害保険会社の公式サイト
- 一部のコンビニエンスストア
初めて購入する人は、販売店でナンバー取得と保険加入の順番を確認すると手戻りを減らせます。自分で手続きするなら、契約先の公式サイトで特定原付の取扱いと受付時間を確認してください。
加入手続きに必要なもの
加入先によって入力項目は異なりますが、次の情報を準備します。
- 車台番号、または車台番号が記載された販売証明書
- ナンバープレートの番号など車両の登録情報
- 契約者の氏名、住所、電話番号
- 使用の本拠地、保険始期日、契約期間
- 保険料の支払い方法
更新の場合は、現在の自賠責保険証明書も必要です。ナンバーや車台番号を誤入力すると、車両と契約が正しく結びつかない可能性があります。入力内容は証明書を受け取る前に確認してください。
コンビニで加入する手順
セブン-イレブンの案内では、マルチコピー機で情報を入力し、払込票をレジに持参して支払った後、証明書を印刷します。店舗や保険会社によって操作や支払い方法が違うため、ここでは一般的な流れを示します。
- マルチコピー機や専用端末で自賠責保険を選択
- 氏名、住所、車台番号、登録番号、保険始期日、期間などを入力
- 申込内容を確認し、払込票を印刷
- レジで保険料を支払い、保険標章と案内を受け取る
- 端末に戻って自賠責保険証明書を印刷、または指定方法で受け取る
セブン-イレブンでは、支払い後に再びマルチコピー機へ戻って証明書を印刷する手順が案内されています。受付可能な店舗、営業時間、現金以外の支払い可否は、セブン-イレブンのバイク自賠責保険案内で事前に確認してください。
証明書とステッカーを受け取るまでは、加入手続きが完了したとは考えないでください。ナンバープレートにステッカーを貼り、証明書を備え付けてから走行します。
ネットで加入する場合
対応する保険会社の公式サイトなら、店舗の営業時間を気にせず申し込めます。オンライン加入後に電子証明書が発行される場合や、紙の証明書が郵送される場合があります。発行方法は契約先ごとに確認してください。
ネット手続きでは、車台番号だけでなく、登録番号、契約者情報、使用の本拠地、始期日、保険期間などを入力する場合があります。スマートフォンで申し込む前に、販売証明書とナンバーの情報を手元に置くと入力ミスを防げます。
販売店や代理店で加入する場合
販売店や保険代理店では、車両の区分、ナンバー取得、自賠責保険の始期をまとめて相談できます。ナンバー取得を自分で行うのか、販売店が代行するのかも確認しましょう。
ナンバーの取得方法は、電動キックボードのナンバー取得方法で手順を確認できます。自賠責保険の加入前に、車両が特定原付の保安基準を満たしているかも確認してください。
証明書とステッカーの管理
自賠責保険に加入した後は、契約を保管するだけでは不十分です。走行時に証明書を提示できる状態にし、ステッカーをナンバープレートへ表示します。
紙の証明書を使う場合
自賠責保険証明書を車両に備え付け、運行時に携行します。ステッカーはナンバープレートの見やすい位置に貼り付けてください。更新後に古いステッカーを残すと期限を誤認しやすいため、貼り替える前に契約期間を確認します。
電子証明書を使う場合
2024年11月の法令改正を受け、保険会社によってはPDF形式の自賠責保険証明書を交付しています。データで備え付ける場合は、通信障害や圏外でも画面を表示できるよう、スマートフォンやタブレットへ事前に保存します。
端末の電池切れや、家族が別の端末で運転する場合にも注意が必要です。運転前に、車両内で証明書をすぐ提示できる端末があるか確認してください。詳しい扱いは、日本損害保険協会の自賠責証明書データ交付案内を確認しましょう。
自賠責保険だけでは十分とはいえない
自賠責保険を付ければ公道を走るための最低限の義務は満たせます。しかし、対物損害や自身のケガは補償されないため、事故の損害をすべてカバーできる保険ではありません。
任意保険を検討するときは、次の2つを比較します。
ファミリーバイク特約
自動車保険に付帯する特約です。保険会社によっては、一般原付だけでなく特定原付も対象にしています。たとえば損保ジャパンの公式案内では、一般原付・特定小型原付を補償対象として案内しています。
ただし、契約ごとに補償タイプや家族の範囲が異なります。対人・対物賠償に加えて自身のケガを補償するか、借りた車両も対象か、車両損害は対象外かを確認してください。詳しくは特定原付の任意保険とファミリーバイク特約で整理しています。
特定原付向けの任意保険
自動車保険に加入していない場合や、補償を単独で管理したい場合は、原付・バイク向け保険を比較します。対人・対物賠償の限度額、自身のケガ、弁護士費用、ロードサービスなど、必要な補償を確認してください。
保険料の安さだけで決めると、対物事故や自身のケガが補償対象外になることがあります。自賠責保険で足りない部分を埋める設計になっているかが判断基準です。
乗り始める前の最終チェック
購入直後や中古車を譲り受けたときは、次の順番で確認すると漏れを防げます。
- 特定原付の保安基準と車両区分を確認
- 市区町村でナンバープレートを取得
- 自賠責保険に加入し、始期日と契約期間を確認
- ステッカーをナンバープレートへ貼り、証明書を紙または電子データで備え付け
- 自賠責で補償されない対物損害や自身のケガに備えて任意保険を検討
順番を飛ばして、保険料を払っただけの状態で走行しないことが重要です。
まとめ
特定小型原付の自賠責保険加入で、押さえるべき点は次のとおりです。
- 特定原付の公道走行には自賠責保険が必要
- 本土用の保険料は1年6,650円、5年12,040円
- 125cc以下の原付や125cc超〜250cc以下の小型バイクとは料率区分が異なる
- 未加入・期限切れは拘禁刑または罰金の対象で、証明書やステッカーの不備にも罰則がある
- 自賠責は相手の人身損害のみが基本で、対物事故や自身のケガは任意保険で補う
ナンバーを取得したら、走行前に自賠責保険の加入、ステッカー、証明書の3点を確認してください。任意保険まで整えたうえで車両を比較したい場合は、特定原付のおすすめ比較と全機種一覧も参考になります。維持費全体を把握したい人は、特定原付の税金・保険・電気代も確認できます。
よくある質問
- 特定小型原付の自賠責保険はどこで加入できますか?
- 販売店、整備工場、保険会社や代理店、郵便局、対応する公式サイト、一部のコンビニで加入できます。場所によって取扱車種や受付方法が異なるため、事前に確認してください。
- 特定小型原付の自賠責保険料はいくらですか?
- 本土用の基準料率では、1年6,650円、2年8,040円、3年9,400円、4年10,730円、5年12,040円です。沖縄県や離島は別の料率が適用されます。
- 125ccの小型バイクと特定原付の自賠責保険料は同じですか?
- 同じではありません。125cc以下の原動機付自転車は1年6,910円、特定原付は1年6,650円です。125ccを超えて250cc以下は軽二輪の区分になります。
- 自賠責保険に加入していれば、証明書を持たなくても大丈夫ですか?
- いいえ。証明書は車両に備え付けて運行します。紙を携行する方法のほか、対応するPDF証明書をスマートフォンなどに事前保存して表示する方法もあります。証明書を備え付けずに運行すると、30万円以下の罰金の対象です。
- ファミリーバイク特約は特定原付にも使えますか?
- 保険会社によっては対象です。一般原付・特定原付の両方を対象とする商品もありますが、補償タイプ、家族の範囲、対物賠償、自身のケガの補償は契約ごとに異なります。加入中の保険会社へ確認してください。
- 2024年3月以前に原付として自賠責保険へ加入していた場合はどうなりますか?
- 保険始期や終期、車種区分、特定原付であることの確認書類などの条件を満たすと、保険料の一部が返還される可能性があります。現在の証明書を用意し、契約先の返還手続きを確認してください。
【2026年9月最新】特定原付おすすめ比較&全機種一覧|着座型・三輪・4輪まで選び方を徹底解説
特定小型原動機付自転車についての外部リンク
特定小型原動機付自転車について
- 特定小型原動機付自転車について(国土交通省)
- 特定小型原動機付自転車について(経済産業省)
- 保安基準に適合した電動キックボード等を購入・使用しましょう(国土交通省)
- 特定小型原動機付自転車ってなに?(PDF)(国土交通省)
- ルールを守って電動キックボードに乗ろう(PDF)(国土交通省)
- 電動キックボード等の概要説明リーフレット(PDF)(警視庁)
特定小型原動機付自転車の交通ルールについて
- 電動キックボードに関する交通ルールを確認しましょう!(政府広報オンライン)
- 電動キックボード等に法改正 乗るならルールを知ってから!(政府広報オンライン)
- 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について(警視庁)
- 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について(警察庁)

