2025年11月14日 
「LUUP（ループ）に乗っている時、目の前の信号は車用？それとも歩行者用？どっちを見ればいいんだろう？」
「自転車と同じ感覚で右折したら、違反になるって本当？」
2023年7月1日の法改正で、電動キックボードが「特定小型原動機付自転車（特定原付）」という新しい乗り物になってから、特に信号のルールで混乱する人が増えています。手軽なLUUPだからこそ、ルールを間違えると大きな事故や交通違反に繋がりかねません。
結論を言うと、電動キックボードは走行モードによって従うべき信号が変わります。
特定原付を100機種以上をリサーチしてきた筆者が、LUUPなどの電動キックボードが従うべき信号のルールを、図解を交えながら誰よりも分かりやすく解説します。この記事を読めば、信号に関するあなたの疑問はすべて解消され、もう迷うことなく安全に街を移動できるようになります。
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目次
この記事の要点まとめ
- LUUPなどの特定原付は、車道を走る際は「車両用信号」に従うのが大原則。
- 時速6kmモードで歩道を走る時だけ、例外的に「歩行者用信号」に従う。
- 右折は、信号の有無や交差点の大きさに関わらず、必ず「二段階右折」が義務。
- 信号無視は6,000円の反則金など厳しい罰則の対象となる。
【大原則】特定原付（電動キックボード）が従うべき信号は2パターン
電動キックボードの信号ルールは、自転車より自動車に近いと覚えておくと分かりやすいです。基本は「車道を走る車両」として、車両用の信号に従います。
原則：車道では「車両用信号」に従う
LUUPを含む特定原付は、道路交通法で「原動機付自転車」の一種と定められています。そのため、車道を走行しているときは、自動車やバイクと全く同じ「車両用信号」に従わなければなりません。
多くの人が混同しがちな自転車は「軽車両」という扱いで、状況によって歩行者用信号に従うことが許されています。しかし、特定原付は車道では必ず車両用信号を見る必要がある、と明確に覚えておきましょう。
このルールは、警視庁の公式サイトでも明確に示されています。
例外：特例モード（歩道走行時）は「歩行者用信号」に従う
LUUPなどの電動キックボードは、一定の条件を満たした「特例特定小型原動機付自転車」として設計されています。
唯一の例外として、時速6kmモード（歩道走行モード）に切り替えて、「歩道通行可」の標識がある歩道を通行している時は、歩行者と同じ扱いになります。このモード中は、車体の最高速度表示灯が緑色に点滅します。
そのため、歩道上では歩行者と同じく「歩行者用信号」に従う必要があります。特に、歩道を通行中に横断歩道を渡る際も、乗ったまま歩行者用信号に従って横断できます。車道走行中と歩道走行中では、見るべき信号が全く違うことを明確に理解しておきましょう。
また、交差点に「歩行者・自転車専用」と表示された信号機がある場合も、特定原付はその信号に従うことができます。
【図解】LUUPで迷う！ケース別・信号ルール早わかり
理屈は分かっても、実際の道路では迷う場面も多いはず。ここでは、特に初心者が迷いやすい3つのケースについて、どう行動すべきかを解説します。
ケース1：普通の交差点（直進・左折）
正解：車両用信号に従う
最も基本となるケースです。車道を走っているLUUPは、自動車と同じ車両です。たとえ隣に歩行者用信号があっても、必ず正面の車両用信号を見て進むか止まるかを判断してください。歩行者用信号が青でも、車両用信号が赤なら絶対に進んではいけません。
ケース2：横断歩道に歩行者用信号しかない
原則：一度降りて、手で押して渡る
車道（20km/hモード）を走行している時に、車両用信号がなく、横断歩道に歩行者用信号だけが設置されている場面に出くわすことがあります。この場合、特定原付に乗ったまま横断歩道を渡ることはできません。
必ず一度LUUPから降りて電源を切り、手で押して「歩行者」として渡りましょう。この時に従うのは、もちろん歩行者用信号です。これが最も安全で、車道通行車両としての正しいルールです。
【補足】
もし、その場所が歩道走行が可能な区域（「歩道通行可」の標識がある場所）で、あなたが6km/hモードに切り替えて歩道を通行している場合は、乗ったまま歩行者用信号に従って横断歩道を渡ることができます。
ケース3：交差点での右折
正解：必ず二段階右折を行う
特定原付のルールで最も注意すべき点が右折方法です。LUUPを含む特定原付は、交差点の大きさや信号の有無、車線の数に一切関係なく、必ず「二段階右折」をする必要があります。
【二段階右折の正しい手順】
1. 青の車両用信号に従い、交差点の向こう側までまっすぐ進む。
2. 渡った先で車両の向きを右に変え、進行方向の信号を見る。
3. 正面の車両用信号が青になったら、まっすぐ進む。
自動車のように右折レーンに入って曲がる「小回り右折」は、たとえ信号がない小さな交差点であっても禁止されています。このルールは自転車と同じと覚えてください。「LUUPは二段階右折」とセットで覚えておきましょう。
知らないと危険！信号無視の罰則とリスク
電動キックボードの信号無視の罰則は？
特定原付は免許不要ですが、交通ルールを守らなければ厳しい罰則が科せられます。信号無視をした場合の罰則は以下の通りです。
- 刑事罰: 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金（反則金を納付しない場合）
- 行政処分（反則金）: 6,000円
反則金も痛いですが、何より信号無視は重大事故に直結する極めて危険な行為です。自分だけでなく、周りの人の命を危険に晒す行為であることを絶対に忘れないでください。
点滅信号の意味を正しく理解していますか？
通常の信号だけでなく、点滅信号の意味もしっかり覚えておきましょう。
- 黄色の点滅: 「注意して進め」という意味です。他の車や歩行者に注意しながら進むことができます。
- 赤色の点滅: 「一時停止」を意味します。必ず停止線の前で一度止まり、左右の安全を確認してから進まなければなりません。
特に赤の点滅信号での一時停止は忘れがちなので、注意が必要です。
特定原付の信号に関するよくある質問（FAQ）
Q. 信号待ちの時はどこで待てばいいですか？
A. 車道の最も左側、停止線の手前で待ちます。自動車やバイクと同様に、交差点の先頭で待つ場合は、後続の自転車やバイクの邪魔にならないように左に寄って停止するのがマナーです。信号待ちで歩道に乗り上げるのはやめましょう。
Q. 自転車は歩行者用信号に従う時もあるけど、LUUPは違うのですか？
A. はい、明確に違います。この違いは車両の区分から来ています。自転車は「軽車両」ですが、特定原付は「原動機付自転車」の一種です。法的な位置づけが異なるため、原則として車道を走る特定原付は、車両用信号に従う必要があると定められています。この違いがルールの違いを生んでいます。
Q. 信号を無視して事故を起こしたらどうなりますか？
A. 信号無視は「重大な過失」と見なされ、事故が起きた際の過失割合が極めて高くなります。相手に与えた損害への賠償責任が重くなることはもちろん、自賠責保険だけでは補償が全く足りなくなる可能性があります。さらに、刑事罰や行政処分も科され、人生に大きな影響を及ぼすことになります。
まとめ：正しい信号ルールを覚えて、LUUPを安全に楽しもう
今回は、LUUPなどの電動キックボード（特定原付）が従うべき信号のルールについて、徹底的に解説しました。
- 車道を走る時は、必ず「車両用信号」に従う。
- 6km/hモードで歩道を走る時は、「歩行者用信号」に従う。
- 右折は、どんな交差点でも必ず「二段階右折」をする。
- 信号無視は6,000円の反則金など、厳しい罰則がある。
電動キックボードは、私たちの移動を驚くほど自由で快適にしてくれる画期的な乗り物です。しかし、その手軽さから交通ルールを軽視してしまうと、一瞬で危険な乗り物へと変わってしまいます。
この記事で解説した信号ルールをしっかり守り、周りの歩行者や車にも配慮しながら、安全に利用することを心がけましょう。また、ヘルメットの着用は努力義務ですが、万が一の事故からあなたの命を守る最も重要な防具です。正しい知識と安全への意識が、あなた自身と周りの人々を守る最善の方法です。
【参照情報】
- https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/electric_mobility/electric_kickboard.html
- https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202306/2.html
特定小型原動機付自転車についての外部リンク
特定小型原動機付自転車について
- 特定小型原動機付自転車について(国土交通省)
- 特定小型原動機付自転車について(経済産業省)
- 保安基準に適合した電動キックボード等を購入・使用しましょう(国土交通省)
- 特定小型原動機付自転車ってなに？(PDF)(国土交通省)
- ルールを守って電動キックボードに乗ろう(PDF)(国土交通省)
- 電動キックボード等の概要説明リーフレット(PDF)(警視庁)
特定小型原動機付自転車の交通ルールについて
- 電動キックボードに関する交通ルールを確認しましょう！(政府広報オンライン)
- 電動キックボード等に法改正 乗るならルールを知ってから！(政府広報オンライン)
- 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について(警視庁)
- 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について(警察庁)
